私が葬儀屋さんをはじめた理由
(有)コーエー社 社長 上原康永
この業界に入るとは全く予想もしてませんでした。
仕事を探すために新聞の求人広告を見て面接に行ったのが葬儀社でした。そこで体験した感動がありました。遺族から涙ながらに「ありがとう」と感謝をされて集金をする先輩社員の姿、お金をもらって仕事をしているのに逆に相手から感謝されるとは。「人に感謝される仕事をしろ」と亡くなった親父がいつも言っていたことを思い出し、その時自分の道を見つけたような気がしました。
以来、コーエー社を立ち上げ、葬儀一筋に歩み
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年が経ちました。死の悲しみを知らなければこの仕事はできません。死をたくさん見てきただけに、生きること、命の尊さを誰よりも強く思わなければいけません。最近のテレビのニュースを見ていますと、なんとも人の命が軽んじられています。殺伐とした世の中に憤りを覚えてなりません。私の3人の息子もコーエー社で働き始めてこの道を歩み始めました。あってはほしくないけれど、誰しも避けては通れない道。愛する人との別れ、そんな時心を込めてその人らしく心静かに送ってあげたいと誰しも思うでしょう。でも現状は悲しんでいる暇もないくらいやらなければいけないことが多すぎるのです。
そんなとき、私たちが少しでも役に立てればと思うのです。その方が人生に感謝の心とお疲れ様の心で心静かに送って差し上げられるようにお手伝いをするのが、私たちの仕事だと、息子たちや社員には教えています。だからこそ、葬儀が終わった後に「本当にありがとう」って遺族に言ってもらえるのではないだろうかと思うのです。